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2014年10月21日火曜日

ダメ猫製造機

冬になると、飼っている猫の姿を目にする機会がめっきり少なくなる。それは、彼らがコタツの中に身を隠すからだ。故に、我が家ではコタツのことを「ダメ猫製造機」と呼んでいる。
まだ出してこそいないが、居間のレイアウトはすでにそのモードのために変更されており、1日の平均気温が20℃を下回りでもすればその装置が実践配備されるのは間違いないだろう。
子供の頃に旧家然とした親戚や知人の家を訪ねると、炭を使ったコタツが現役で使われていることがまだまだあった。床に穴を穿ち、火鉢を置き、布団をかけ、練炭などを焚いて暖をとる、いわゆる掘りゴタツである。
そんな炭を使ったコタツでも、その家の飼い猫は寒さを嫌ってその中に入り込んでいた。炭を焚いて布団をかけ密閉した空間で一酸化炭素中毒寸前になって、その猫はそこから出てくる。文字通り、フラフラになってだ。ここまでくるとダメ猫製造機どころか「廃猫製造機」だなあと、その様を見て子どもながら感じたような気がする。
猫といういきものは、暖かい場所でまどろんで眠りにつくものだが、仮に炭ゴタツの中で本当に寝てしまえばそれは即ち死を意味していたんじゃないだろうか。そう考えると、猫はけっして温もりの誘惑に負け死を迎えることがなかったわけで、そうなればちっともダメじゃないじゃんと感心するしかないのだ。
一方、我々人類はどうだろう?と考える。これは例え話なのだが…自分がいる環境に子猫が現れたとしたらどうなるだろう。いや、犬派猫派とか猫嫌いとか猫アレルギーとかうっちゃっておいて、自分は猫派だし猫好きだし猫アレルギーはないから、その日々の成長や愛らしさにハートをマシンガンで射抜かれ通しになっちゃうんですよ。これは理屈じゃなくて、それが人間の子どもでも、犬だろうがなんだろうが絶対そうなんですよ。その一挙手一投足に、きゃわいい~♥となっちゃって、他のことなんて手につかなくなるんです。
そんなわけで、結論。猫こそが「ダメ人間製造機」なんです。

2014年10月12日日曜日

あみぐるみの話①

この1年ほどで懇意にさせていただくようになった方が自転車店を新規に営むと聞いて楽しみにしていたのだが、開店はまだなもののその名刺ができたからとそれを携えて今日になって仕事場を訪ねてくれた。店名を「キティサイクル」にすると聞いていたのに刷り上がった名刺には、例えば「清田輪業」を略したらそうなるだろう「きよりん」といった店名が刷られていた。
この方がなぜ当初はキティサイクルという一見珍妙な店名にするつもりだったかというと、ご当人がハローキティのファンだからという理由に他ならない。1975年に誕生したハローキティをその翌年までに知った彼はその愛らしさに魅了されグッズ収集に明け暮れ、学生だったその当時に友人がサンリオの入社試験を受けると聞き自分もそうするべきかと大いに悩んだという。結局彼は元から志望していた企業に、友人はサンリオにと、それぞれ入社することになるが、その後もお互いにハローキティについてアツく語り合う仲だったそうだ。
先日、twitter上でたまたまリアルなヤモリのあみぐるみを目にして、そのプロポーションの見事さはもちろん編みもので再現された爬虫類の皮膚感の妙なリアルさに圧倒された。
あみぐるみといえば、1995年頃にインターネットを通じて知り合った友人がそれを趣味にしていて、かぎ針で編むそれはその造形のバランスや色づかいの妙などの見事さもあってただの手芸ってレベルを超えたものだと見受けられた。その友人は、当時その世界で一世を風靡していたというある作家のワークショップに参加して、その作家のコピーから始めて自分の作品を生み出していた。まあそんなことを垣間見てたので、なんとなくその世界を知ってたんですよね。
その作品はなかなかハイセンスで愛らしいものだったけど、それを見た自分はなんだかザワザワとしたものを感じたんですよ。でも、そのザワザワがどうしてそうだったのかわからなかったんだな、当時は。
別の友人もあみぐるみの作家で、その作品がどんなものかを書けばこれをご覧の自転車海苔ならそれがどなたかわかるかもしれない方と今日会って話してるうちに、件のヤモリの話になった。さすがはあみぐるみのひと、あーあれはすごい!とすぐに話が噛み合って、それについて大いに盛り上がりましたとさ。
さて、その話がヤモリのあみぐるみの体表表現になると、もちろんその編み目によるウロコ感が爬虫類を見事に描き切っているとお互いに絶賛したわけだが、そこでその友人が気になることを言った。
「自分がつくっているまめのこも、その編み目を見るとどこか爬虫類的で、実はけっこうキモいんだよね」
その言葉を聞いて、あー!それがおれが予てからあみぐるみに感じてたわけわからんザワザワだったんだー!って、20年ほどかかってやっとわかったんです。
思えば…5年ほど前に自転車で行った鹿児島の阿久根のローソンで、その地の特産である海産物の余剰品である貝殻でつくった巨大キティを目にしたことがある。身の丈が平屋建てのローソン店舗の青い軒にゆうに届くサイズのそれは、造形こそオリジナルのキティちゃんを忠実になぞった素晴らしい出来だったが、残念なことにホタテなどの貝殻で構成された外皮がどうしたってウロコにしか見えず、要はかなりキモかったんです。
それはあみぐるみも同じで、どんなにかわいい容姿をしててもその質感がキモかったら全てが…いや、そう感じるのはそういうフィルターを通して見るからで、あみぐるみはかわいいものですよ、きっと。
あみぐるみの話は、次回に続きます。

2014年4月13日日曜日

春のビジュアル撮影とsacoche for(サコッシュ・フォー)開発秘話

先日、TOMOKABANsacoche for(サコッシュ・フォー)のビジュアル撮影を行いました。2日に亘って行ったと書けばあたかもまる二日かけてたのかと思えますが、実際はいずれも小一時間ほどの撮影時間でした。
FBページのトップ絵も、これまでモデルを務めてくれたまじかるともみんに代わって、今回はTOMOKABANのデザイン&ソーイングワーク担当者本人が登場です。5月にでもまじかるともみんを再起用して撮影する予定になってるので、このバージョンはひと月ほどの春季限定になってしまうかと思います。
自転車に乗らず俵山の風車を背に立つピクニック気分のまじかるともみんと、ロードバイクで春の白川河川敷を颯爽と走るTOMOKABANスタッフ…この両者の違いが、sacoche for(サコッシュ・フォー)の製品としてのありかたの変化の象徴になっていることに気づかれた方は恐らくいないことでしょう。

サコッシュとは、ツール・ド・フランスなどのサイクルロードレースでほんの一時も足を着くことことなく一日200kmにも及ぶ距離を走行する選手に補給食などを手渡すための布製の簡単な袋で、受け取った選手はこれを襷がけにして中のものを摂取し、それが終われば路肩に捨ててしまいます。いわば使い捨ての袋なのですが、これがどうして、我々のようなホビーサイクリストが使ってもなかなか便利なものなのです。ところが、いかんせんサコッシュは簡単な袋なので、なんとも心もとない…それをもっとしっかりとつくりこんだ製品も世の中にはありますが、それらはコンパクトなショルダーバッグないしはメッセンジャーバッグといった印象で、もっとサコッシュらしい身軽さを持ったものをと考えてつくったのがsacoche for(サコッシュ・フォー)なのです。

以下は、sacoche for(サコッシュ・フォー)の開発秘話というか、これまでどこにも書いてこなかったことなのですが…
sacoche for(サコッシュ・フォー)は、上の画像のようにストラップの端についたサスペンダークリップをサコッシュ本体の左下に取り付ければ、3本になったストラップが下の画像の様に胸元でクロスして腰の部分で身体に固定されます。
ストラップは左肩と左右の腰の3点で固定されてますから、左肩からズレ落ちないようにバックルでの長さ調整を行うことできれいに安定します。
仮に上の画像の向かって右下に伸びているクロスストラップにあたる部分が多少緩くても、サコッシュ本体は下の画像のようにお腹の方まで回り込むことがなくペダリングやサドルへの乗り降りの邪魔にはなりません。
こうやって襷がけに背負うタイプのショルダーバッグ、そうメッセンジャーバッグなどには、自転車での使用がしやすいようにクロスストラップと呼ばれるパーツが付いていることは多くの方がご存知だと思います。
TOMOKABANのsacoche for(サコッシュ・フォー)が画期的なのは、多くの場合別パーツになっているクロスストラップを1本のストラップとしてシンプルにまとめた点にあります。
実はこのストラップ、最初からこう使うために用意されたものではありませんでした。

多くのショルダーバッグ…斜めがけするバッグ…は、そのストラップの片側がバックル(長さ調整を行うためのパーツ)から折り返して、ふた重になっています。しかし、その仕様はシンプルが売りのsacoche forには不要だろうと考えたわたしたちは、バックルから先の部分をだらりと垂れさせることにしたのです。このやり方なら、ストラップの長短の調整幅が大きいこともあってそうしてのです。ところが、そうすると胸元から垂れ下がった部分が邪魔で、下手をすればフロントブレーキなどに絡まる恐れもあって、これはありがたいことではありませんでした。
そこで、その部分が垂れないようにどこかに固定してやろうと工夫したのが、下のサスペンダークリップでした。
このサスペンダークリップ、元来ズボン吊りなどに使われているパーツなのですが、お辞儀させるように中折れさせると開き真っ直ぐに戻すと閉じるという単純な機構が、余ったストラップの先をどこかに固定するという用途にまさにうってつけでした。

 sacoche for(サコッシュ・フォー)の開発は昨年2013年の夏頃から始められ、同年11月24日の自転車市庭Vol.1.5で製品として披露することになりました。
その時点では、ロードバイクなどの前傾姿勢で使う際にはストラップを出来るだけ短く調整してサコッシュ本体を背中側に回してペダリングの邪魔にならないようすればいいと考えていました。ところが、実際に使ってみると、どんなにストラップを短くしていても、背中に回していたサコッシュ本体がいつの間にかおなか側にズレてきて、微妙ではあれペダリングする膝に当たることがわかったのです。これでは本格的な走行を行う際には適してはおらず、結局、 sacoche for(サコッシュ・フォー)はサコッシュ風のショルダーバッグ、ポシェットの類と見なされ、本格的なロードバイク愛好者を満足させるに至りませんでした。

本年2月に福岡市中央区のPROMENADERさんを訪ねた際にも、オーナーの小原さんにその点を指摘されました。「自転車用を標榜するなら、クロスストラップを付属させ、背中からズレない工夫をするべきだ」と。
そもそもシンプルにをモットーに製品化したsacoche for(サコッシュ・フォー)ですから、それに別パーツでクロスストラップを付けることは大きく躊躇われました。ましてや、そのころ考えていたクロスストラップはTIMBUK2などで見られる両端にナスカンと呼ばれる連結のためのパーツと長さ調整を行うバックルが付いたもので、sacoche for(サコッシュ・フォー)に用いるにはシンプルさが欠けると感じていたのです。

ところが、そのクロスストラップの機構を、わたしたちがそうと気づかなかっただけで、sacoche for(サコッシュ・フォー)はすでに実装していたのです。

3月2日に行われた熊本県サイクリング協会主催の天草下島一周サイクルマラソンに、ボランティアスタッフのひとりとして参加したわたしは、Bコース96kmを伴走することになりました。伴走する際にsacoche for(サコッシュ・フォー)を背負っていたのですが、どんなにストラップを短くしてもやはり背中からズレてきて膝に当たってしまう…どうやったらズレずに固定できるのかと考えて、その時初めて上で紹介したサスペンダークリップを本体の左下隅に留める装着方法を試してみたのです。そうしたところ、実に快適、なんのストレスも感じないまま…その日の苓北の向かい風はとんでもないものでしたが…96kmの距離を難なく走り切ることができ、机上で考えるものと実際の前線のそれは大きく違うのだと身を持って知ることになりました。

「すべての自転車ユーザーに『大きなポケット』を」というわたしたちのスローガンをカタチにした、TOMOKABANのsacoche for(サコッシュ・フォー)。快適なサイクリングの一助になればと、サイクリストのひとりとして願うばかりです。

2014年3月24日月曜日

天草下島一周サイクルマラソンを走ったサコッシュ

昨夜…深夜0時からだったので今日ですが…3月2日に行われた天草下島一周サイクルマラソンを紹介したテレビ番組が放映され、わたしも視聴しました。
実はそのイベントに、当日の伴走スタッフとして参加していました。
その際に、TOMOKABANsacoche for(サコッシュ・フォー)のロードバイク乗車時の使用感を試して、とても良好な結果を得ることができました。
ただし、フツーに使うだけでは、以下のようになってしまいます。
膝が当たって、ペダリングの邪魔になるのです。
ちなみに、ストラップの長さは、TOMOKABANが標準として画像などでも紹介しているサスペンダーを本体の右上端で留めた時のものです。
バックルで調整してストラップを最も短くすると、この足をついた状態ではそうではないものの、実際にサドルに跨がって前傾姿勢をとると、やっぱり膝に当たってしまいます。
そうならないように本体を背中に回してやっても、いつの間にか元に戻ってしまってなんだかなあです。
そこで、天草ではどうしたかというと…
余ったストラップの先を右手で持ち、サスペンダーを中折れさせ開き、左手は背中に回した本体の左下を掴んで手前に引き寄せます。
サスペンダーを、本体の左下端に留めます。
マチがないし、中になにか入れててもここになら留められますなあ。
こうなります。
真後ろから。
横からだとこう。
ビクとも動かないし、乗り降りの際にサドルに引っかかるようなこともなく、天草Bコース95kmを難なく走り切ることができました。
正面から見ると、こう。
きれいにクロスして、クロスストラップの役目を果たしているのがわかります。
これはエエよォ
sacoche forのストラップは、本来こういった使い方を想定してはおらず、そもそもは下のようになった場合に垂れ下がった部分を留めておくものとして考えだされたものです。
とまあ、瓢箪から駒というか、棚から牡丹餅というか、開ける口というか…

以上、公式が他の方のルポをFBに書いたので、ほとぼりが冷めるまでとりあえずここに書いてみるテスト。

2014年3月22日土曜日

ファビコンを手直し

某所のファビコンをつくり直しました。
かなり会心のできですが、だれにも伝わらないでしょうね…

2014年3月21日金曜日

自転車市庭 Vol.3の告知

「浮島神社 自転車市庭 Vol.3 2014」の開催が告知されています。
 
浮島神社 自転車市庭 Vol.3 2014
5月11日(日)に熊本嘉島町の浮島神社で開催されますので、万難を排してお駆けつけください。
例によってフライヤーの準備も進めていますが、「出会い」ってテーマにしようと思ってたら、神職が勝手に「おしゃべり」なんてムズカシイものにしたので、どうまとめたものか迷い中。なので、画像にはボカシをかけています。
A面は、まだこれから…ふぅ…
もちろん、当日はTOMOKABANも出店します。
よしなに!

2014年3月18日火曜日

「サコッシュをつくってる個人のブログ」をよろしくです

自転車を通しての友人であり、それ以外にもなにかと関わり深いあるひとが、新しことを始めているようです。
サコッシュをつくっている個人のブログ
なんだかブログを書くスタイルを新たにしたらしくて、ずいぶん飛ばしてますが…それも最初のうちだけでしょうw
それでも、中身を読んでもらえばわかりますが、間違いなくあのひとだなあと思わせてくれる文体と元気のよさは健在です。
そんなわけで、リンクとかリーダーとかの仲間に加えていただければ、本人もたいへん喜ぶんジャマイカと思います。
ちなみに、HNの「toome」はご本人の本名をアナグラムぽくいじったもので、「と〜み〜」とでもゆるく読んでもらえばいいようです。

2014年3月15日土曜日

sacoche for(サコッシュ・フォー)@TOMOKABAN

昨年11月の自転車市庭でお披露目したサコッシュ・sacoche for(サコッシュ・フォー)ですが、そのプロダクトを行うTOMOKABANの公式サイトができています。

sacoche forは、ロードバイクユーザーが自分が使いやすいものをと考えてつくったサコッシュです。

その最大の特徴は、ロードバイク乗車時にもズレずにしっかりとホールドできること。
この状態でまったく動かないから、ペダリングの邪魔になりません。
その手順は、こう。
sacoche forのストラップの余った部分の先端を右手で持ち、サスペンダーを中折れさせ開きます。背中に回した本体の左下を左手で掴んで手前に引き寄せ、サスペンダーそこに留めます。こうするとサコッシュ本体が固定され、ペダリングの邪魔にならず、乗り降りの際にサドルに引っかかるようなこともありません。正面から見ると、クロスストラップの役目を果たしているのがわかります。
これなら、ロードバイクなどで前傾姿勢になっても、サコッシュを快適に使うことができます。

ところが、これを手にかわいいと言ってくれる女子も少なくないようで、ご覧のとおり普段使いでもかなりイケてて、さすがはゆるゆるサイクリング女子がつくったサコッシュだなあと思わされます。
TOMOKABAN公式サイト:tomokaban.jp

ネット通販もやってますのでよろしくです。
TOMOKABAN通販サイト:TOMOKABAN STORE
現在11色のカラー展開をしてますので、気に入った色を見つけてくださいね。

また、お取り扱いいただいている店舗もあるので、お近くの方はそちらもよろしくです。
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福岡の北九州と博多に1店舗づつ、熊本市に2店舗、自転車店に限らずパン屋さんあり雑貨店ありと、それぞれに個性的なお店ばかりです。
取扱い店舗については今後も増えるかと思いますので、ウェブサイトをぜひチェックしてみてくださいね。

公式サイトも通販サイトも、もちろんサコッシュも、すべて手づくり…Macやミシンは使ってますがw…です。
足りない部分もあるかと思いますが、温かい目で見ていただければ幸いです。

そんなこともあって、インターネットでの活動はそちらに完全シフト…まあ、これまでもここは草ボーボーだったわけですが。