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2011年5月5日木曜日

僕が彼女と走る理由…または、ツール・ド・国東 2011

今年で3年連続のエントリーとなったツール・ド・国東。
最初の年はロードバイク海苔を十年以上振りに再開して半年も経たないうちに、一緒に乗りはじめた友人とのたった二人でのエントリーだった。160kmという未知の距離を走るのに必死で、イベントの雰囲気を楽しむ余裕なんて微塵もなく、どうにかこうにか走り終えたってのが正直なところだった。
2回目の昨年は、あろうことか体調が万全ではない中でのスタートになったが、一年のうちに増えたロード海苔仲間たちに励まされて、辛くもゴールすることができ、一緒に走るひとたちの心の支えを強く感じた年になった。
そして3回目の今年…
今年は、ひとりの女子ローディの背中を押して参加することになった。
前日の就寝時間が遅かったこともあって体調を崩した去年の轍は踏みたくないと、今年は23:00には就寝した。当日の朝4:30に起床して、5:00過ぎには同乗者を拾って、いざ国東半島へ。
大分道に入ると前方に1台のアルファロメオが。そしてそのルーフには2羽のダチョウwww…いや、カバーを装着したロードバイクの姿が。行きの道中は、このアルファロメオとの先頭交代をくり返しながらの、実に楽しいものになった。
7:30に会場入りして駐車場にクルマを停めると、奇遇なことにお隣もピンクにアレンジされたANCHORだった。この出会いのお陰で、イベントに向けて緊張していた空気が一気に和んだものに変わった。
スタート会場の杵築市総合体育館で受付を済ます。画像はSMN氏のブログから無断でがめた反省していないwww
昨年体調がダメダメだった時に精神的に大きく助けて貰ったとkさんをはじめとした仲間とも無事合流。左の2名を含めた5名は前日21:00の出発で24:00にここへ到着、25:00にテント泊してスタートに備えたはいいが、会場入りする車両の物音で4時間後の29:00には叩き起されてしまったらしい。なんだ、当日乗りの俺らの方が寝てるじゃんwww 
二児の母であり、仕事を持つ彼女は、普段から時間のやりくりにとても苦心している。それでも、なんとか時間を作って自転車に乗りたいと強く願っている。「お母さん、行っておいでよ!」この日、そんな彼女を、家族は温かく送り出してくれた。
学校の部活の都合で楽しみにしていた出場を残念なことに見送ったジュニアの父・もr氏らとスタート位置へ移動。
エントリー順が若かったこともあって、3組に別れたスタート枠の1枠目に入れて、その上少しでも有利にしたいと前方のグリッドを確保。千鳥饅頭氏の緊張も、否が応にも高まる。

8:50にスタート。
ゆったり出ているようだが、動画を見ると意外と速いwww
判るかな?
もひとつ。
一拍遅れて出ているが、これは流れに乗るためのものwww
一昨年までの怒涛の一斉スタートが昨年から速度がコントロールされたものに改まって、千鳥饅頭氏も混乱に巻き込まれることなく自分のペースで無事スタートを切ることができた。
彼女と知り合ったのは今年になってから。某SNSで「ひろえ」という名前から当方を女子ローディと早合点した彼女の勘違いDMから全ては始まった。
大分空港道の高架をアンダーパスする辺りまでくると例年後続の走り屋ちゃんたちにガンガン抜かれるのだが、今年はなぜか全体のペースはゆっくりしていた。
上りに入ってもまだ快調で、並み居る男どもを牽いて上がってきた…ように見える一枚www
当方が男だと知った彼女が返して寄こしたDMには「わたしはれっきとした女です!」と書かれていた。  
女子ローデイの姿もちらほら。しかし、どうでもいいが、彼女らのピンク率矢鱈高杉www 
3年前にANCHORを買ってロードバイクに乗り始めた彼女は、ピンクにこだわって、バーテープやタイヤをその色で揃えていた。赤白黒の定番のレーシングカラーは嫌い…もっと力を抜いて、おしゃれに乗りたいよ…と。
少し先行していっこめのピークで待っていると、「ガハハハ!饅頭さんを置いていっちゃいかんバイ!」とお馴染みの声が。少し後方からスタートしたくr氏、とk氏に引き連れられてようやく到着した千鳥饅頭氏だった。 
男どもに混じって走りにいくと、決まって自分の方が遅い。それは自分に力がないからで、それがどうしようもないことは判っている。でも、先行したひとたちにたびたび待っていてもらうのがどうにも忍びない。そんなことをしてもらうくらいなら、自分を置いてそれぞれのペースでさっさと先に行って欲しい…いつしかそう思うようになった…と彼女はいつも言っていた。
序盤ふたつのピークを越えたあとは早速ショートカットしようかなどと悪だくみをしながら、4名でわいわい言いながら走る。
そして彼女は、他の相手…その多くが男子…と走ることが難しいと感じるようになって、当初はしょっちゅう出かけていたサイクリングから次第に遠ざかるようになってしまった。
コース上唯一の交差ポイントを過ぎていくつかのピークを登るうちに先のお二方は先行してしまうが、先は長いからと焦らず自分のペースで進む。 
それでも、せっかく始めたロードバイク…その魅力を知ってしまって、この先もできれば乗り続けていたい…その思いを知って、彼女をもう一度道に戻してあげたいと僕は考えた。
平坦部に降りてくるとクランクを回す脚も軽くなる。 
自分のペースで自由に走りたい。風を感じて、空を仰ぎ見て、緑を、花々を眺めながら、写真を残しながらゆっくり走りたい。そんな彼女に僕は強く共感して、そのフォローがいくらかでもできればと思った。
最初のエイドで2氏と再合流。ここは手早い水分補給のみで、お二方を置いて先を急ぐ。
あっつー間に追いつかれましたがwww
スタミナが切れてきたと走りながら補給しようとしたエナジージェルを落としてしまい拾いに戻るの図。
一方当方もリアホイールのフィッティングが悪く調整したりで、なんだかだとペースが乱れる。くr氏も遅れたので何ごとかと思ったら、ハンガーノックになりかけて沿道でパンを調達していたとの由。 
そんなこともあってかなくてか、この辺りで2枠目で出走したSMN氏らに抜かれるが(゚ε゚)キニシナイ!! 
中高と陸上をやっていた彼女は本来身体能力にも優れていて、本当はもっと早く走りたいと心の底では望んでいた。でも、どうしたって坂道に差しかかるとクランクが重くなって思うように回せない…自分ではいちばんになりたいのに、それができないことがとても歯痒いのだと常々語っていた。
だいちゃんが追いついてきたので、少し前にくr氏がいると伝えると元気に追いかけていった。
そんなこんなで次のエイドまではマイペースで。 
マイペースでいいじゃないか。乗り続けていればいつか自分が思い描く走りができるよ、きっと…僕はそう言って彼女を励ましながら、機会があれば一緒に走った。
エイドで再び2氏と合流。
ここからが、この日の千鳥饅頭氏のハイライトになった。
時に先行する男どもの集団を抜き去りながら快走したのだ。
これはきっと、イワナガ自転車さんから提供されたエナジージェルのSAVASピットインリキッドが効いたからに違いないwww 
男どもをぶち抜いて、すごく気分がよかった!
この日、彼女はそう言って笑ってみせた。
次のエイドの手前にはエントラントの通過を待つ若き自転車海苔が。 彼女たちの目に、沢山の自転車ばかの姿はどう映ったのだろう?
彼女の娘は10歳。最近、母親が通勤で使うMTBが空いていれば、ちょっと乗ってくる!と出かけていくらしい。
第3エイドで談笑していると、誰かがキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
今回が初エントリーのよっc氏、足切りに遭わずに辿りついたぞ!
遅れれば足切されてショートカットコースに回されるから、距離が減って楽ができるぜ!…そりゃいい!その手でいこう!…お互いにそう嘯くことで、160kmの距離への彼女の不安は幾分薄らいだ。
エイドとして提供していただいた都甲中学校のグラウンドは徒歩で通過。
さあ、登りはもうあと一箇所だけ。そこを過ぎれば昼食会場だ。 
おなかが空くと走れない…でも、行く先においしいものが待っていればがんばれる。彼女のモチベーションはそうやってできている。
ちんこ岩を目指せ!www
「急のぼり」の文字に悪態をつきながら…
ところが余りにもあっ気なく終わってしまいって拍子抜けした様子www 
キツイ坂は勘弁…そう言った彼女を急き立てるように坂へ出かけた…時にはそんなものないと嘘までつきながら。それが元でけんかだって何度もした。時にはスタートしてすぐにけんかして別々に出かけた日もあった。でも、そうやっているうちに彼女は強くなっていった。
ここで思いがけず嬉しい再会が。千鳥饅頭氏が2年前のサイクルマラソン天草のちゃんぽん店で偶然出会ったかあぺんた棟梁だ!トレードマークの頭上のドラミちゃんが今年は黄ドラに変わっていたぞ。
ひととの出会いは本当に不思議なものだ。思いがけない力を与えてくれる。
懸念されていた雨がついに落ちてきて、早めにウインドブレーカーを装着。 
トンネルを抜ければ…
ついに海だ! 
昼食会場の直前でよっc氏のみならず、心配していたまっcやんも追いついてきてびっくりしたなーもうwww
辿りついた昼食会場には長蛇の列…
みんなとも再開して、楽しい…今回は、まあまあの昼食だったかなwww 
このあと、先に出るというみんなを見送って、腰が痛むという千鳥饅頭氏のために暫く休憩。 
160kmという未知の距離を走ることを、彼女はひどく不安がっていた。そもそも、一昨年のサイクルマラソン天草に出場して135kmという距離を走って、全く楽しくなかった、苦しいだけだったと言っていた。だからもう、本気で走らなきゃいけないようなイベントには出ない…国東?160km?とんでもない!…そう言っていた彼女を僕はこの場所へ連れていきたいと思った。心から楽しんで欲しいと思った。
さて、あとはゴールまで60kmほどの平坦を走り切るだけ。しかし、雨脚は容赦なく強まってくる。それでも先日の荒天を経験している身にはこんなの屁でもない。
腰が痛い!…脚が痛い!…彼女の身体が悲鳴を上げた。我慢しろ!…それしか声のかけようがない自分をどうしようもなく無力に感じた。
正面に住吉浜スカイホテルが見えてくるとほっとする。
画像の右上の曇りは、水滴ではなくきっと泥。黄砂がひどかったこの日は、ラピュタの日以上に汚れることになった。
そしてゴール。17:16だった。
目標にしていた17:00までのゴールは叶わなかったけど…なにしろショートカットしてないんだぜ!
見てくれ、この晴れやかな顔を!
ところが、スタートとゴールの場所が別になった今年はこれからが長かった。杵築の市街地までくると「ゴールしてまで、もう自転車に乗りたくないんですけど…ここで待ってるから、アンタひとりで駐車場にクルマを取りに行ってアタシを迎えにきなさい!以上!」と、誰かの口から女王様発言が飛び出す!www

ひとりで駐車場に戻るととkさんとくrさんがまだ残っていて、千鳥饅頭氏が完走したことを伝えると心から喜んでもらえた。
ふたりに会いたかったよぉ…ってあとから言われても…駐車場に行かないと言ったのはお前だろう、ばかー!www
最後にまたSMN氏からがめた写真を。これは最初二箇所目のエイドでのものだから、まだまだ表情にも余裕があるwww
biciclista(ビチクリスタ)のウェアは本当におしゃれで、出来そのものも素晴らしい。もちろん、+Cオリジナルのサイクルウェアもよろしく!
こうやって彼女のツール・ド・国東は終わった。
アシストするつもりでいたけど、結局何もできなかった…走り切ったのは、あくまで彼女自身の力によるものだ。でも、一緒に走ってくれてありがとう…って言われて、本当によかったと思った…そうか、少しは心の支えになれたのかと。そして、160kmの距離を楽しく走れたと聞いてそれだけで満足だった。 

7 件のコメント:

  1. よかった。
    お疲れ様でした。

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  2. お疲れさまでした。

    時間は気にしない、後半の悪条件の中
    走り通せたことに意義ありですね!!

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  3. > morikowaさん
    > SMNさん
    当方のゴールも遅かったし、バタバタと帰って、帰ってからもドタバタしていて、生存報告が遅れてスミマセンwww
    おふたりとも早い時間でのゴールになったようでよかったですね。
    充実していたこと、お二人のブログからも十二分に伝わってきました。
    でも、タイムに関係なくどんな時間を過ごしたかが重要なのだと感じた1日になりました。
    遅くなるほど雨脚が強くなったのはギャフンでしたけどwww

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  4. 長らく人と走る楽しみを見いだせずにいて、どれだけの距離を一人で走ったかわかりません。
    たくさんの後押しと励ましをもらった事、ただありがとうだけでは言い尽くせないです。
    仲間なんていらないと思っていましたが、今回支えとなってくれた人全てが私の仲間。
    これからも頑張りますので、ご指導よろしくお願いします。

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  5. > chiroruさん…いや、千鳥饅頭さん
    これまでひとりで勝手に生きてきたと、自分もそう思っていました。
    でも、多くのひとたちに支えられているのだと知ったのは、恥ずかしながら、つい最近の話です。
    今回、無理やり誘った国東でしたが、楽しいことばかりじゃなかった行程をなんとか終えてゴールしたあなたの顔から溢れた笑顔に、無理むり連れていってよかった、一緒に走ってよかったと本当に思わされました。
    また、楽しもうよね!

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  6. お疲れ様でした。
    ひろえさんのコメントに共感します。
    私はもうこの年になるとタイムは求めてなく、いかに楽しく思いで深い走りをするかに主眼をおいています。
    人より少し早くゴールしたとしても、途中の景色であったり、仲間との会話であったり何も覚えてなければ楽しくありませんからね!
    またご一緒しましょう!

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  7. > とk(Tok-Mak)さん
    今回、マンツーマンでのサポートに終始すると思っていたのに、とkさんとくrさんに思いがけないシーンで何度も助けて頂いて、本当にありがとうございました。
    ひとのフォローは目一杯したものの、ワタシはもちろん、全くもって他の方からのフォローは不要でしたがww
    これからも、ひとケイデンスずつ、彼女と一緒に楽しみを見つけていければと願っています。
    あ、もちろんとkさんともねwww

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