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2012年3月5日月曜日

遠すぎたハイヤ大橋…天草サイクルマラソン2012

3月4日に行われた、第19回天草サイクルマラソンに参加してきた。
「天草下島一周サイクルマラソン」が正式名称なんだろうけど、熊本県サイクリング協会での表記も曖昧だし、だいたい合ってればいいやw
今年からイベントの運営に関わることになった友人をクルマに乗せて、大会本部のある天草市新和町の新和体育館に到着したのは、まだ真っ暗な早朝5:45だった。
早速、運営の実働チーフから指示を受ける新米実行委員。
前日に現地に乗り込んだ方々によって、受付の席も既に設えられていた。
すっかりご無沙汰していた大藪サイクルさんの顔もある。例年、毎イベントのことながら、雨具に身を包んでの駐車場誘導、本当にお世話になります。
この日の先導役を務めるために前泊したという熊本市立千原台高校自転車競技部の彼らは、バイクの準備を済ませていたようだ。
この日のイベントを支援するためのグッズの数々もスタンバイ。
この日は雨交じりの天候が予想されていて、すでに早朝の時点で霧雨が降っていた。晴天時には駐車場となるはずだった新和グラウンドが雨だと轍で荒れるという理由で使用許可が降りず、分散して駐車するために駐車場を担当する方々が特に苦辛している様子が伺えた。
ボランティアとして参加するみなさんが続々と到着してきて、体育館の玄関ホールがにわかに活気づく。
祭りの準備は着々と進む。
実行委員やボランティアのための朝食、昼食の弁当も届く。当然、わたしの分はありませんw
空が白む頃には来場するエントラントの数も増えてきて、7:20の受付開始を待たずに玄関前に人垣ができていた。
受付担当ボランティアの方との最終打ち合わせ。
立哨・実走ボランティアとして参加することになったナリーくんも、鹿児島県北部から遠路はるばる無事に到着して、入念な指示を受ける。
彼は、昼食場所でもある大江CPまでBコースに先行して自走、誘導立硝を行ったあとリリースされ、本コースをゴールまで実走ボランティアとして走るってことになったようだ。
7:20から受付が開始される。並んでいる中には見知った顔も少なくなく、この日のイベントへの期待が膨らむ。
TVの取材も訪れた中、開会式が行われた。
雨天でグランドでの開会式が行えず体育館内でのそれとなったためか、これに参加したエントラントの数はけっして多くないように思えた。しかしこれは、事前のブリーフィングも行われ、スタート進行やコースの最終確認などの注意事項を伝える場でもある。このブリーフィングに参加しなかったことでエントラントが不利益を被っても、それはあくまで自己責任だ。朝早くから足を運んでからの準備も忙しいだろうし、仲間と話に花を咲かせるのも楽しいことだろうが、参加する以上、開会式には必ず参加するべきだろうと感じた。
開会式が終わり、実行委員が移動するのに合わせてスタート地点へ向かう。
なんとか雨はやんでいるものの、ご覧の通り路面は濡れている。
前述の通り、今年は熊本市立千原台高校自転車競技部の彼らによってスタート~牛深のエイドまでの先導が行われる。
彼らにまで「レースではありません、楽しいサイクリングです」とアナウンスされて、テラワロスw
仲間たちの顔を見つけ、お互いの健闘を誓い合う。
8:50の予定が若干押してから、先導役の工房がスタート。
続いて、一般エントラントもスタートしていく。
スタートは5名一組で15秒置きに行われるが、なかなか5名になるように揃わず、これには係の方もけっこう苦心していたようだ。仲間とはぐれるからなどの理由でそうなるケースが少なからずあったようだが、これも事前のブリーフィングで伝えられていたことだし、なにより一組遅れてもたった15秒の差しかないんなんだからさ。
写真撮影の手を休め、自分もエントラントの列に加わって、逆に撮られる立場にw
9:06に仲間たちとスタート。
スタートと同時に霧雨になって、先行きがひどく思いやられる。まあ、走っていれば風に当たってどんどん乾いていくほどの雨量だし、雲もさほど厚くはないからなんとかなるかな?
ところが、なんともならなかったのは自分の脚だった。最初の坂で脚が合っている(同じようなペースで走れるの意)はずのとkさんにもあっという間に千切られてしまう。
坂の途中で、少しあとに出ただいちゃんにも抜かれ…
宮地岳郵便局のところで国道266号に出てもペースは上がらず、遅れてスタートしたメガネ店長にも抜かれ、その先のアップダウンで追いついてきたもりこわ氏に一緒に走ろうと無言で促されるがとても無理、先に行ってもらう。
とにかく、どんなにがんばっても普段の半分も力が出せないんだ。多くのエントラントに抜かれてゆき、本当に情けない思いをした。
思えば、この前日に50kmほど走った際にも確かに脚が重かったのだが、その時は向かい風のせいだろう、たまたま調子が悪くて脚が回らず激坂で苦しんだのだろうと思って、体調のせいにしていたから、そうか今日もダメポなのか…と思っていた。
走りながら思うのは、こんな苦しい思いをするのならもう引き返そうかってことだけだった。
それでも、とにかく40km地点の牛深水産加工場の最初のエイドまで行こう、そこで回収車に乗ってもいいじゃないかと、萎えそうになる気持ちを奮い立たせてなんとか先へ進もうとするが、この日の牛深は果てしなく遠かった。
熊本県立牛深高校の先生が生徒たちを率いて運営しているこのエイドは若さ溢れるもので活力をもらえるのだが、この日の自分にとってはただの撮影対象だった…
…で、ここでだ、リアのブレーキキャリパーにふと目をやると…なんと、微妙〜に片当たりしてしているじゃないかー!
ペースが出ないのは体調のせいだとばかり思っていて、しかも昨日から同じ調子だったから、まさかこんなことになっているとは露ほどにも思わなかった…
ブレーキの当たりを調整し直して、ここで休憩していたワッキー氏らのグループと一緒にリスタート。
なんだ、めちゃくちゃ軽いじゃん!…当たり前だorz
エイドで摂らなかった分を補給しようと、朝から買っておいた小さなチーズケーキを頬張りながら、ここまでとは打って変わった足取りでハイヤ大橋を軽やかに超える。
牛深の市街地を抜けて、久玉トンネルへの坂にさしかかるが、ここまでで無駄に使った脚は既に言うこと聞かず、ワッキー氏らにあっという間に置いていかれる。いや、まだ先は長い、焦らずに温存しながら進めばいい…と自分に言い聞かせ峠を越える。
久玉トンネルを越えてからは、名も知らぬ方と先頭交代しながらけっこうがんばって走って、それはそれで楽しかった。
コースが天草町方面へ折れる 河浦町白木河内三軒屋のリックマートよこ田の自販機でボトルのドリンクを補給するためにストップ。これまでに失った体力を戻すためと思って、サプリメントも補給した。
途中で、リタイアしたエントラントの回収作業に幾度か行き会う。ああ、自分もあのままじゃこうなっていたのかもしれんね…
河浦町から大江の天草町交流センター(旧・天草町立大江中学校)の昼食CPまでは、すっかりやる気なしでだめだめ…このままじゃペース的にもぜんぜんヤバいってことで、CPで足を止め昼食の時間を費やすことを諦め、チェックのみでパスすることに決めた…いや、そのチェックすらスルーしようとしたのだが、さすがに立哨ボランティアの方に制止された…どうもすんません…
エイドへ向かう横道に入ると、昼食を終えで出てきただいちゃんとナリーくんとすれ違う。
チェックするだけですぐ戻るから待っててとナリーくんに伝え、おにぎりと豚汁の誘惑には見向きもせずに、おっとり刀で引き返し、待っていたくれたナリーくんと合流できた。
話を聞くと、彼がエイドを出ようかってぐらいにとkさんたちが到着したらしく、しめしめノンストップ作戦で彼らを出しぬいてやったぞと独りごちるw
大江トンネルへの嫌な坂でちょび氏と一緒になるが、彼女にしてはどう見てもペースがゆっくりだった。どうやら、知り合いご夫婦をアシストしての走行だったためらしい。
天草高校天草西高を過ぎ、再び嫌なダラダラ坂を登って、先々週の試走の際に昼食をした鬼海ヶ浦のブルーガーデンへのアプローチまでくると…あれ?どこかで見た顔が…
なんと、先週の+Cサイクリングで初めてご一緒したばかりのさや子氏と、その友人のひが子氏だった。
先週はこのイベントに出るなんてひとことも言ってなかったじゃんと聞くと、Bコースでもリタイアしたら恥ずかしいから黙ってたって答えが返ってきた。
この先風が強くなって走行がたいへんになるからご一緒しましょうと、ナリーくんと彼女たちをエスコートすることにした。
いや、彼女たちにはたいへん失礼な話だが…ここまで脚を使ってきてて、普段はない乳酸の蓄積もあって、普段のペースで走るのが正直しんどかったんだ。それは夜駆けできて昨夜ほとんど寝ていないナリーくんも同じだったようで、情けなくはあるが、楽な道を選んでしまった。
2週間前にここを通った際にも行われていた鬼海ヶ浦のすぐ先の工事はまだ終わっておらず、その時と同じく交互交通の信号ストップを強いられた。いや、このあとクルマが10台ほど溜まって、それを先に行かせてから我々自転車は通ろうとこの場にいた10名以上が暗黙のうちにそうした。ところが、クルマを行かせたあとに自分たちが通っているうちに時間が超過してしまい、対向の信号が青になってしまったようだ。幸いなことに、対向車が我々の通行が終わるのを待っていてくれたが、これにはちょっとヒヤッとさせられた。
基本的にさや子氏たちを牽きながら進むが、たまたまなのだろう、いつも間にか女子4名のトレインができていた。そのうちのお一方はなんと+Cウェアのヒョウ柄サイスカを身につけていて、思わず声をかけてしまったぜ…
昼食をパスした穴埋めにとこの辺りで、朝から調達していたコンビニおにぎりを走行中にひとつ平らげる。こんなこともあるうかと用意していたものだが、ゴールまでのただのウェイト負荷にならなかったからまあよかったかな?w
実はこの日、朝から同じくコンビニおにぎりと同じくサンドイッチをふたつづつ1時間ほど間を空けながら食べていたので、お腹にはかなり余裕があったのだ。これで胃もたれして先に進む気力がなくなることが実は不安だったが、朝から腹持ちのいいカーボンを摂っているという安心感がそれに勝ったようだった。
下田温泉を過ぎ、九州電力苓北火力発電所を遠く望めるようになると、例年なら強烈な向かい風に悩まされるのだが、この日はそよ風か?と思わされるほどのそれで、すっかり拍子抜け。そういえば、この日の天草地方の天気予報は「東の風やや強く、後、南東の風やや強く」となっていたのだが、どうやらそれが当たったようだ。…てことは、芦北で東進に転じたら…いや、先のことは考えまいw
デイリーヤマザキ天草苓北店でトイレ休憩すると、ここの手前で再び追い抜かされていたワッキー氏らと再会。そして、案じた通りの強烈な東風…ここから東に進むから向かい風…に転じていた。
ここまで実走ボランティアの仕事をなにもせずのほほんとしていたナリーくんだったが、彼の「熊本県サイクリング協会」とネームが入ったベストを見て、サドルに不具合が生じたエントラントが助けを求めてきた。
その面倒を見ている彼を置いて、女子たちとリスタートw
向かい風が半端ないが。それでも、先に進まない限りゴールには戻れない。
アシスト作業が終わって追いついてきたナリーくんと交代しながら先頭を牽いていくが、女子2名も頑張ってついてきてくれた。
二江漁港の最終エイドに、なんとか到着。
ここでとkさんやメガネ店長らも追いついてきた…ああ、せっかく先行してたのにw
ここでも、ボランティアの方の笑顔に、身体と心が軽くなる。
本渡海水浴場、本渡港、本渡市街を抜けて、ゴールまでは10kmちょっと。
2週間前の試走の際にも気になった勾配の表示を撮影。6.02%ってなに?コンマゼロ2って細かすぎね?w
ゴール地点の新和町が次第に近づくと、さや子氏から「あとどのくらいですか?」「まだ着かないんですか?」等と、なんども聞かれて、もう少しだがんばろうと声をかけ続けた。今回が初めて臨んだサイクルイベントだった彼女、見知らぬコースだったことも手伝ったから出ただろうその言葉に、ああ自分も最初はそうだったなあと思い出して、初々しい気持ちになれた。
ゴールの直前まできたら、新品に換えたばかりのタイヤがパンクを起こしたとkさんが痛恨のストップを強いられていて、やった!最後の最後にパスしたぞ!と思ったら、イベント帰りのエントラントが車載していたインフレーターを借りて思いの外早く復帰したとのことで、らだk氏を始めとした彼らは大人げなく女子たちを追い抜いていったw
そしてついにゴール。
部分的に曇っているのは、ここにきてついに降ってきた雨がレンズに付いたから。
実行委員やボランティアの方々の、手厚い出迎えを受ける。
ゴールに近づくと雨脚が強くなって、ついに本降りになったが、こうして濡れて身体が冷えたことで、地元のボランティアのみなさんに振舞っていただくこの天草サイクルマラソン名物のぜんざいの美味しさもひとしおってものだ。
同じコースを…ううん、仮にコースは違っても同じゴールを目指して走ってきた者同士、その健闘をお互いに讃え合う至福の瞬間。
さや子氏と同じく先週ご一緒したたか子氏もゴール。なんと3回ものパンクに見まわれ、最後には一緒に走っていたご主人が自分のホイールを使えと貸してくれたんだって。
うん、確かに前後でホイールが違うよね。
その後も続々とエントラントが帰ってくる。そのたびに湧き上がる拍手やねぎらいの言葉。そしてその笑顔…これこそがサイクルイベントの醍醐味だろう。
集計を担う彼らも、5時間にも亘っての作業は本当にたいへんだったと思うが、この笑顔。
そして、最後のエントラントがゴール。この場所全体が暖かい拍手に包まれて、自分の気持も温かくなった。
なにやら、天草下島でも雨が本降りになったのはこの新和町周辺だけだったらしく、A、B、Cの各コースのスタートに1時間、11:00から戻ってくるCコースに始まるゴールに5時間、計6時間も雨の中を立ちっぱなしでエントラントの発着を世話し見守った実行委員、ボランテイアの方々の働きを知って本当に頭が下がった。もちろん、朝からの駐車場への誘導、受付、各エイドの運営、雨交じりの寒い中での各ポイントでの誘導立哨、天草地域医療センターの看護師の方らによる救護(この日はまったく出番がなかったようで、よかった)、熊本市立千原台高校の自転車競技部監督の中田正次先生を始めとした回収作業など、多くの人々に支えられてこのイベントが行われたことを、この日は彼らに近いところで少なからず目にする機会を得た。
エントラントがゴールしても、運営のみなさんの撤収作業はまだまだ残っていて、全てが終了して新和体育館をあとにしたのは18:30だった。
ううん、この当日や前日の準備だけじゃない。この日を迎えるためにずっと前から骨を折ってきた彼らの姿を垣間見ることができ、ただのエントラントとして参加していた時とは全く違うものをイベントから感じることができた。
そのことをもっと伝えようとの思いで臨んだこのイベントだったが、自分の情けない手落ちもあって、考えていたリポートの半分もできなくて本当に悔しかった。
それでも、今年の天草は終わった。
では、また来年。

7 件のコメント:

  1. 半分選手、半分ボランテイアお疲れさんでした。
    2年前やっと念願の完走を果たした友人とともに今年は1時間ほど早くゴールできました。
    ゴール後のアンケートではたくさんのボランティアの皆さんに頭が下がります。ありがとう!と書いてきました。
    ホント裏方さんのおかげでイベントが成り立つんだと再認識しました。
    今回は雨も風もさほど強く無く楽しい大会でした。
    ありがとうございました。

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  2. すごくいいブログですね(^^)
    ひろえさんは凄くいい人なんだなぁって伝わってきました。
    雨の中、朝早くから準備されてたボランティアの皆さんには本当に頭が下がります。
    沢山のボランティアの方々のお陰でイベントが成功できたんだなぁと感じました。
    この場をお借りして、ありがとうございましたm(_ _)m

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    1. いえいえ、ぜんぜんいいひとなんかじゃないですよ。
      お前は外面がいいだけだって、いつも言われてますからw
      ボランティアの方々はもちろん、運営に携わった多くの方々の思いがほんの少しでも伝わったのだとしたら幸いです。
      ううん、さや子さんがね、あの寒い中で誘導立硝してる方の全てにね、すごく元気な声で「お疲れさまです!」って声をかけてるのを聞いててね、ああ、あの言葉で、彼らも少しは救われてるのかなあって思ってましたよ、ずっと。
      元気は、みんなを温かくさせてくれるよね。

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  3. 天草お疲れ様でした。
    私自身初めての天草でしたので(試走を除く)楽しく走れました。
    地元の応援も嬉しかったしこちらもだいぶ挨拶を返せたかと思います。
    またスタッフの方々にはお世話になりました。

    ゴール地点ではお別れの挨拶が出来ずすみませんでした。途中何度か併走出来て良かったです。なんだかんだで女性をサポートしているところがhiroeさんらしかったですね~

    3月の+Cサイクリングは参加したいと考えてますので、またご一緒しましょう。ありがとうございました!

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    1. 天草では、奇遇にも何度かご一緒できて本当に楽しかったです。
      特に、這々の体で辿り着いた牛深のエイドから一緒に出発できたのは本当に助けになりました。
      あそこで見知った方が誰もいなかったら、気持ちはもっと折れていたんだと思いますから。
      …坂になったら、すぐに置いていかれましたがorz
      うーん、そうですね…女好きなんでしょうね、幾つになってもw
      +Cサイクリングは、春〜秋は金峰山率が高くなると思います。
      ぜひご参加ください。

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  4. いろいろとお世話になりました。
    しかも、このような知られざる世界も紹介していただき感激しております。
    これからも、よろしくお願いいたします。

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    1. みなさんが忙しく立ち働く中でウロウロしていただけで邪魔にしかなってなかったろうと思いましたが、そう言っていただくとありがたいです。
      昨日の球磨川もお疲れさまでした。
      好転に恵まれて素晴らしいイベントになったようですね。
      次はスポーツフェスタ、そして五家荘…楽しいイベントになることをお祈りしています。

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