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2012年4月28日土曜日

ツール・ド・国東まであと1週間

去年2011年のツール・ド・国東は、17:16のゴールだった。一昨年2010年が16:51、そして一昨々年2009年は16:15のゴールだった。そう、呆れたことに、年を経るごとに遅くなっているのだ。


2009年は、サイクルイベントに出るのもなにしろ生まれて初めてで、ロードバイクを再開して5ヶ月ほど、100km超の距離を走ったことなんて数えるほどしかなくて、160kmという未知の距離を走り切れるものかまったく自信がないってのが正直なところだった。
実際、一斉スタートではプロトンに巻き込まれてそれまで経験がなかった40km/hで走ることになって、それでもそれには緊張を上回る快感があって、かなりアドレナリンを上昇させられた。
ところが、いざ上りに入ると…抜かれる抜かれる…いや真剣に自分の自転車は壊れてるんじゃないかと思ったほどだった。
なんとか最初の山間部を抜けて平坦に出て最初のエイドに辿り着き、でもここで長く休んでしまうとだめだ、遅いんだから少しでも前に進まないと走りきれないだろうとすぐにそこを出ようとしたが、一緒に走っていた友人の姿が見えない。結局、長い列ができていたトイレに行っていた彼を25分ほど待つことになってしまった。彼がトイレに行ったことを咎めるつもりはなかったが、ひと言も告げずに姿を消したことがひどく腹立たしかった。
そのあともしばらく山間部の走行が続き、とんでもない坂の連続に気持ちも折れそうになっていた。その辺りからは、朝から腹具合が悪く最初のエイドだけではなくスタート前にもトイレに行っていた友人の方が元気を取り戻したようで、待ってもらうって場面も幾度かあった。それとは別に、自分は目一杯走っているのに、笑って話をしながら流す感じで走っていた男女などを見るにつけ、本当に自分が腹立たしかった。
這々の体で昼食エイドに辿り着くと、呑気に握り飯を食っていた友人に、さっさと食え!と気持ちをぶつけてしまっていた。

後半の海岸沿いの平坦になると、疲れが出たのだろうその彼も遅れ、ほとんどがひとり旅。いや、遅いと思っている自分の後ろに数人の列車ができていた。
そんなこんなで、実のところちっとも楽しくなかった160kmだった。

1年のうちに自転車仲間も増えたし、一斉スタートがなくなったこともあって、和気藹々としたムードでスタートした翌年。
登りで特別速くなったわけではなかったけれど、まあいい自分のペースで進めばゴールはやってくると、そう思って最初の峠を越えた。
峠を越えて下りにさしかかると、友人のひとりがからんだ落車事故が起きていて、自分も停まって誘導を手伝ったりしていて50分もの時間をロス、それでも仲間と一緒だったから、まあ、なんとかなるさと笑って再スタート、結局最初の足切りポイントで時間切れでショートカットさせられることになって、22.3kmほどを労せずして稼いで…いや、走ったわけではないが…やったやったと仲間たちと笑い合う余裕があった。
その後も彼らと共に進むが、40km/h超のトレインに乗りきれない場面もあって、それでも自分のペースで進んでいりゃいいと思っていた。
最後の坂では足が攣るなんて場面もあったものの、それでも一緒に走っていた友人から励まされながら、他の仲間たちに少し遅れて昼食エイドに到着。ここでゆっくり過ごしてから残る70kmほどに向かうが、少し走ると体調を崩してしまって全く前に進めなくなった。
これはもう走れない、ここで休んでいるから先にゴールしてクルマでピックアップしてくれと友人に頼んで先に行かせ、それでも少しは先に進もうとヨロヨロとクランクを回してシークレットエイドに辿り着くと、他の仲間たちも全員そこで待っていてくれた。

彼らの笑顔に励まされて、体調が戻ってきたこともあって、最後には全員で笑ってゴールできた。

去年は、初めて参加する友人をアシストしての走行になった。
三回目の参加で、さすがに登りでかわされることも減ったものの、ピークのたびに遅れた彼女を待ちながら、その彼女が挫けそうになるのを励ましながら走った。そう、前の年に仲間たちから自分がしてもらったことを、この時は返す番だった。
それでも、第2エイドまでは他の仲間たちから大きく遅れることなく進むことができた。
最後の峠も思ったほどのことがなく、胸をなで下ろした彼女だったが、小雨がぱらついてきたことも手伝って、昼食エイドにつく前にはスタミナが切れてきて失速。
仲間たちが食事を終えた頃になってようやく昼食会場に到着、そこで体調を戻すためにゆっくり過ごしてからゴールに向かったが、後半は雨脚が強くなって行く手を遮られた。

黄砂混じりの泥雨に翻弄されなからもゴールしたのは、完走認定時刻を26分も超過してからだった。それでもこの年の国東には、前年のそれとも違う大きな喜びがあった。

さて、今年はどんなことが待っているのだろう。

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