tab

.

2011年6月16日木曜日

風が吹けばピカピカやねん…諺と映画と映画と漫画

「風が吹けば桶屋が儲かる」とういう諺だが、桶は丸いから風が吹けばコロコロ転がってなくなってしまい仕方なく桶を買い直すので桶屋(^Д^)メシウマかと子どもの時分には思っていたのだが、もちろん違う。
今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。そうすると猫の皮がたんといるによって世界中の猫が大分へる。そふなれば鼠があばれ出すによって、おのづから箱の類をかぢりおる。爰(ここ)で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじゃと思案は仕だしても、是(これ)も元手がなふては埒(らち)明(あか)ず
無跡散人『世間学者気質』より:慣用句辞典より転記
つまり…
大風で土ぼこりが立つ
土ぼこりが目に入って、盲人が増える
盲人は三味線を買う(当時の盲人が就ける職に由来)
三味線に使う猫が必要になり、ネコが殺される
ネコが減ればネズミが増える
ネズミは桶を囓る
桶の需要が増え桶屋が儲かる
ということであるらしい。
一方で…
一部の俗説では、「桶」は「棺桶」の意味で、何らかの理由で死者が増え、棺桶の需要が増えるとも言われる。風で火災が延焼し焼死者が増える、海や山が荒れて遭難者が出るなど、諸説ある。
という説もあるらしい。
とここまでは全て、まるっきりWikipediaからの引用である。
これを読んで思い出すのが黒澤明の「用心棒」だ。
とある宿場町でやくざの二勢力が対立していて、いがみ合うたびに刃傷沙汰となり死者が発生するのだが、そうなると棺桶屋がメシウマって寸法だった。主人公の浪人が居を構える居酒屋の隣が棺桶屋で、人死にが出ると渡辺篤演じる棺桶屋が嬉々として金槌を振るう様が壁越しの音声と効果音のみで表現され、笑いを誘うとともに、ひとの不幸は蜜の味というひとの業がうまく表現されていた。なにしろこの棺桶屋、人死にが起きないと(´・ω・`)ショボーンとするのだから。
これらの話から、いま福島で、そして日本で起きていることを想うのは当然だろう。しかし、ここではその話はしない。
風が吹くといえば、ハリウッド映画「風と共に去りぬ」の主人公スカーレット・オハラが物語の結末で絶望の縁にあって自分を奮い立たせるようにいう「明日は明日の風が吹く」という台詞が印象深い。ところがこれも、日本語訳の妙に過ぎず元は「After all, tomorrow is another day=明日があるさ」であるらしい。原題の「Gone With the Wind」からイメージして勝手に日本語訳をしたのだろうが、英語の諺である「Tomorrow is another day」をうっちゃっておいて見事な和訳をしたものだ。
はるき悦巳の漫画「じゃりン子チエ」で、主人公のチエが離れて暮らす母親とのデートを果たし別れたあと、「明日はまた明日の太陽がピカピカやねん」と自らを奮い立たすために笑う場面がある。その絵の背景が映画館にかかる「風と共に去りぬ」の大看板だった。
手持ちの劇場映画版のDVDからこの場面を抜いてここに出そうかと思ったが、見つからねえorz

0 件のコメント:

コメントを投稿